4月から始まった連続コース「GAPとコミュニケーション」が、先月無事に終了しました。
4ヶ月に渡り、人間関係におけるコミュニケーション、その中で自分に起きている葛藤などをじっくりとみていきました。
今回は、アメリカのクリスティン・プライスともzoomで繋がる機会があり、ほぼ毎回のワークで、2時間ほどクリスによる講義やペアワーク、シェアなどをリアルタイムで行うことができました。
残りの時間はそこから得た気づきを元に、さらにペアワークで座布団・ピロー(empty chair)ワークや、リピーティング・クエスチョンなどを通して、それぞれが自分の探求を深めていきました。
1ヶ月ほどワークの間が空いた時には、クリスから個人探求のヒントとなる課題や問いをもらい、自分が普段日常の中で、コミュニケーションにおいて何をしているのか、などを具体的にみていく時間となりました。
今まで自分が気づかずにとっていた行動や、無意識に持っていた相手への期待などに気づくことも多く、
コミュニケーションの中に詰まっているテーマの多さに改めて驚くことも多々ありました。
特に、ただ自分の言いたいことを言う「自己表現」と、相手にしっかり伝わるように伝える「コミュニケーション」との違いは、重点的に何度も学んでいきました。
参加者の方からは、連続コースでは毎回同じメンバーでじっくりと学ぶことによる安心感や、4ヶ月間を共にすることで気づきが深まって良かった、とのお声もいただきました。
<扱ったテーマなど>
・「自己表現」と、「コミュニケーション」の違い
・コミュニケーションが難しいと感じる相手について
・相手への隠れた期待、要求などに気づく
・自分のニーズ、コミュニケーションに求めているもの
・自分の防衛などのパターン
参加者の声
Aさん「もしかしたら別の選択肢があるのかもしれない」
・ワークでの気づきや印象的だったこと
クリスの「自分から相手に話したいときの意図」は「私についてあなたに知らせる」だけ、という話です。
最後のほうのペアワークで、自分がそれとはまるで違う意図を持っていることに気づきました。どう話せば、相手が何かをする(しない)ように誘導できるか、できるだけ選択肢を与えないようにできるか(!!)、と考えながら話していたことに気づき、びっくりしました。
・その後の変化やプロセスで気づいたこと
自分のコミュニケーションの課題を見つけたというところから、人との関係で、自分は悪くない(相手が問題)と思っていたことに関して、もしかしたら自分も別の選択肢があるのかもしれないと思いました。
一方、日常では気づくと無意識に今までどおりの意図で話しているので、まだまだ練習が必要だと思っています。(Aさん / 女性)
Mさん「この中に自分の真実が潜んでいると感じている」
・ワークでの気づき、発見など印象的だったこと
「コミュニケーション」と「自己表現」についてワークし、全体でシェアする中で、「自分が心の奥底で何を求めているのか、ニーズに気づく必要がある」という言葉をクリスに言われたことがとても心に響いている。
私は「お互いを理解しあう」というコミュニケーションの前に、「まるで赤ん坊のように、ただ無条件に関心を注がれること、愛されること、理解されることを強く求めている」ということに気づいた。より正確に言えば、「やっと気づくことができた」という感じ。今までもうすうすと感じていたけれど、それを認めるのが怖くて、いけないことのような気がして蓋をしていたように思う。それをより大きな、広い席から眺めて、受け止めて、言葉に、声にすることが今回初めてできた。同じメンバーで連続して取り組んでいる安心感も大きいし、5回のリトリートを通して自分の中のウイットネスの部分が少し成長しているのかとも思う。
・その後の変化やプロセスで気づいたこと
「私が、いま、言葉や表情などで相手に表現していることは、コミュニケーションのためなのか、自己表現なのか?」と、話している最中に、ひと呼吸おいて考えて話すことが、前よりは少し増えてきた。
「コミュニケーション」をしたい時には、「怒り」の感情があることは私にとってはマイナスになりやすい。怒りが強いと気づかないうちにどんどん「自己表現」になってしまっていることに気づく。わかっているのに止められないことも多い。
・関係性やコミュニケーションに関して取り組んでいること、さらに探求したいこと
いま悩んでいる関係性、コミュニケーションの相手は子ども。私が子どもをいたわる必要があると思っているのに本当は私が子どもからいたわられたいと思っていることに気づいた。今での人生の中で、ここまで自分の奥底から揺さぶられる相手はいなかった。まるで湖の底に長い長い間降り積もって溜まっていた泥を奥底からかき回されて、静かで穏やかに見えた水中が真っ黒に濁って何も見えなくなるような感じがしている。寄る辺がなく自信がなくなってどうしていいかわからなくなる一方で、この中に自分の真実が潜んでいるとどこかで感じている。
子どもとの関わりがきっかけにはなっているけれど、問題は自分自身のことなので、これを変な形で子どもとの関係に持ち込まないようしたい。「私のことは私が引き受ける、私と子どもとのことは2人の中で引き受ける、子どものことは彼自身が引き受けることを見守りたい」というようになりたい。
・連続コースについて
連続で行うと、一つのテーマをいろいろなワークを通してじっくりと取り組むことができるので、気づきの幅も深さも増すと感じる。また、「時間をかける、時間が過ぎる」ことで熟成されたり、日常生活で実践することができる。そして、それをまたサークルに持ってきて・・・と気づきをつなげていく良さがある。また、メンバーもある程度固定されるので、グループ全体の成長、相互作用もあるし、信頼感・安心感も生まれる。信頼し安心しているから、自分の過去にやり残したようなニーズ・人間関係などをリスクをとっても試してみる勇気が出てくる。反面、それだけの時間を続けて確保できるかどうか、難しい時もある。
次回のGAPベーシック・プログラム(日本ティーチング・スタッフによるワーク)の開催は10-11月頃を予定しております。
それまで、今回のコミュニケーションのテーマについても掘り下げてご紹介していきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。