(「ルールとパワー」1の続き。探求者が、「ルール」という枠の中に自分をぎゅっと押し込めて、そこから出てこないようにしている、という流れから・・)
ク:(探求者の顔や顎のあたりを、指でそっと触れながら)
あなたの中の、力を入れてぎゅっとしている部分として、ルールにしがみついていることの良さも考えてみてください。私に言わなくてもいいので、ただ感じてみてください。体が、話すままに任せます・・。
探:(鼻をすすって、うつむく。しばらく沈黙)・・・ここ(ルール)から出ちゃいけない、っていう言葉が出てきた・・。
ク:その中にとどまっていることの良さは何でしょうか?
探:誰も傷つけないし、私も傷つかない・・・。(息を吐く)
ク:(探求者として)私はそこにしがみついて、ルールの枠の中にいる。
探:いや、(外から自分を)抑えつけてる。私が(ルールの外に)出てこないように・・・。(両手で何度も抑えつける動き)
ク:(抑えつける動きを真似しながら、自分の腕を差し出す)
探:私が出てこないように、抑えつけてる。(クリスの腕を押し始める)
ク:(探求者として)出てこないで。
探:出てこないで・・。出てこないで・・。(さらに強く押す)
ク:あなたは誰かを傷つけるかもしれない。
探:(押しながら)このままだと傷つけちゃうから・・。そのまま出てきちゃだめ・・!そのまま出てきちゃだめ・・・!!(涙ぐむ)
ク:もう1回言って。(さらに側に寄り、背中まで差し出す)
探:このままじゃダメ・・!(クリスの背中まで押し始める)
ク:押している相手にもっと言ってください。
探:あなたは危ないから・・!!あなたは危ないから出てきちゃダメ!!!(体を乗り出し、後ろにあった録音機を倒す)ごめんなさい・・・。(涙ぐむ)ほら・・あたし危ない・・・。
ク:(探求者として)私は危ない。
探:(泣きながら)私、危ないから出ちゃダメ・・。このまま出たら危ないから・・!!!
ク:(探求者として)このまま出てきたら、私は危ない。(探求者に)自分も傷つくんですか?
探:傷つく・・。(少し落ち着いて、目をつぶる)自分のことが、もっと嫌いになる・・。ここ(枠の中)に入ってたら、私は自分を好きでいれる。この中に入ってる自分は安全だし、見た目もいいし・・。
ク:この枠から出ると、あまり見た目が良くないんですね?
探:うん・・。(俯いて、押すのをやめる)
ク:(体制を変えて、探求者の方を向く)自分が危険だっていうのは、どういう風に知ったんですか?
探:・・・。(ティッシュで鼻をかむ)いっぱい泣かした。人を・・。泣かした・・。(下を向いて、思い出すように)
ク:何人?
探:(笑)ちっちゃい頃、特に・・。思ったことをそのまま言って・・。
ク:どういう風に表現したんですか?
探:(笑)・・・。デブとか・・(下を向いて、うなだれる)
ク:そういうことを言ったってことですか?
探:うん・・言ってえ・・!
ク:「言ってえ!」(笑)
探:(笑)男の子に言って・・。
ク:内側ではその時、何を感じてましたか?どんなことを感じて、それを外に出していたんでしょうか?
探:その時は、特に何も・・・。でも今は・・。(胸をさする)
ク:ちょっと、前に戻っていいですか?
探:(頷く)
ク:さっき「言ってぇ!」と言った時みたいに、「デブ!」と言った・・。
探:ううん。(首を振る)
ク:どういう風に言ったんですか?男の子に・・。どんなエネルギーだったんですか?
探:・・その後のことが印象に強すぎて・・。(目をつぶって、思い出すように)うーん・・・なんかそれは、からかうような、気持ちだった・・・。
ク:その時の女の子を感じてみてください。自分の中にいる、その時の女の子を感じて、何を感じてましたか?何が起きてましたか?
探:・・・・。(目をつぶって、思い出している)
ク:今、唇をかんでいます。
探:ちょっと、ここ(上半身)に力を感じています。
ク:ルールの箱に自分を入れる前の、女の子の時を感じてみます。
探:熱・・。
ク:内側で、熱を感じる。力を感じる。